千葉工業大学 / 応用化学科 / 山本研究室(ヤマラボ) の教員・学生を紹介します。
教員
こんにちは、山本 典史(やまもと のりふみ)です。専門は計算化学。量子化学・分子動力学・機械学習などのさまざまな手法を使って、分子の解析や設計に取り組んでいます。
学生
山本研に所属する学部3年生(9月に配属予定)〜大学院生を紹介します。
修士2年(12名)
- 新井 翔大(Arai Shodai)
- 井出 隼哉(Ide Shunya)
- 岡崎 祐太(Okazaki Yuta)
- 尾保手 颯汰(Obote Sota)
- 鹿草 悠樹(Kagusa Yuki)
- 佐藤 麻央(Sato Mao)
- 竹内 健人(Takeuchi Kento)
- 冨永 樹生(Tominaga Tatsuki)
- 深沢 斗夢(Fukasawa Tomu)
- 宮川 直也(Miyakawa Naoya)
- 宮本 勇人(Miyamoto Yuto)
- 與五澤 蓮(Yogosawa Ren)
修士1年(4名)
- 会田 翔哉(Aida Shoya)
- 藤巻 竣(Fujimaki Shun)
- 山上 隼弥(Yamakami Toshiya)
- 山瀨 桂大(Yamase Keidai)
学部4年(10名)
- 秋葉 はな(Akiba Hana)
- 惠村 学斗(Emura Manato)
- 勝又 僚汰朗(Katsumata Ryotaro)
- 神子 唯(Kamiko Yui)
- 小池 歩(Koike Ayumu)
- 古志 華絵(Koshi Hanae)
- 斎藤 喬(Saito Takashi)
- 高橋 洸翔(Takahashi Hiroto)
- 田村 ニナ(Tamura Nina)
- 松原 颯希(Matsubara Hayaki)
学部3年(10名)
- 糸賀 翼 (Itoga Tsubasa)
- 小島 来夢 (Kojima Raimu)
- 高安 真由 (Takayasu Mayu)
- 多田 健太郎 (Tada Kentarou)
- 田中 ゆうこ (Tanaka Yuuko)
- 中村 梨花 (Nakamura Rinka)
- 西村 望 (Nishimura Nozomi)
- 芳賀 優梨 (Haga Yuri)
- 廣岡 隼人 (Hirooka Hayato)
- 吉田 桃子 ポーシャ (Yoshida Momoko Portia)
チーム
山本研では「生物物理」「化学工学」「光化学」の3つのチームに分かれて研究に取り組んでいます。
生物物理チーム
生命現象に関心があるひと、医療や医薬品に興味があるひと、進化のナゾを解きたいひと、などにお勧めの研究分野だと思います。
ウイルス薬剤耐性化
インフルエンザやエイズの治療では、病気の原因となるウイルスの増殖を抑える薬が使われています。このような薬のおかげで、病気の進行を抑えたり、症状を軽くすることができます。
しかし、薬を飲み忘れたりすると、薬のはたらきを弱めることができるように変化したウイルスが増えてしまうことがあります。このように薬が効きにくくなったウイルスのことを薬剤耐性ウイルスと呼んでいます。
山本研の生物物理チームでは、分子動力学シミュレーション や 機械学習(人工知能) などの方法を使って、インフルエンザ・ウイルスやエイズ・ウイルスなどが薬剤耐性を獲得するメカニズムを調べています。
この研究は、北海道大学・人獣共通感染症リサーチセンターの研究者と共同でおこなっています。
関連する論文
- Mohini Yadav, PeerJ Phys. Chem. (2021)
- Mohini Yadav, PeerJ (2021)
生命の化学的起源
超好熱菌 と呼ばれる、温泉や海底の熱水噴出口という高温(80度以上)環境を好んで生息するような、ちょっと変わった細菌たちがいます。この超好熱菌は、進化系統樹の根元付近にいる生物で、全生物の共通の祖先は超好熱菌なのでは?と推測されています。
私たち生物は、遺伝情報を継承・発現する仕組みのなかで、DNAを利用しています。高校生物の教科書を読むと、DNAについて、アデニンやグアニンなどのプリン塩基、シトシンやチミンなどのピリミジン塩基などで構成されることが紹介されていますね。
私たちは、全生物の共通の祖先だと推測されている超好熱菌を対象として、この細菌が体内でプリン塩基を合成する反応過程を詳しく調べることで、生物が「遺伝」という巧妙な仕組みを獲得するに至った物語を明らかにしようとしています。
具体的には、分子動力学シミュレーション と 量子化学計算 をハイブリッドで組み合わせた方法を使って、プリン塩基を生合成する酵素の化学進化を分子レベルで詳しく調べることで、生命の化学的な起源 を突き止めようとする研究に取り組んでいます。
この研究は、電気通信大学 や 千葉工大・先進工学部・生命科学科 の研究者と一緒に取り組んでいます。
関連する論文
- 山本 典史, Life (2022)
- 柴沼 佳紀, J. Biochem. (2020)
化学工学チーム
金属有機構造体(MOF)
2015年の国連サミットで、持続可能な開発目標(SDGs)という、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標が提案されました。このSDGsのなかに、気候変動に具体的な対策をという目標があります。
この目標を達成するために注目されているのがハイドレート、ゼオライト、金属有機構造体(MOF)などの多孔質材料を用いて温室効果ガスである二酸化炭素を分離・回収するという技術です。
MOFとは、金属と有機化合物が架橋したネットワーク構造を持つ材料であり、ガス分子の分離・吸着、センサーや触媒活性において、ゼオライトなどより優れた特性を持っていることが知られています。
私たちは、ハイドレートやMOFなどの多孔質材料のなかで二酸化炭素が拡散・吸着する様子について、分子動力学シミュレーションという方法を用いて詳しく調べています。
光化学チーム
凝集誘起発光
近年、単体では発光効率がとても低いけれど、分子が多数凝集すると発光効率が顕著に上昇するという興味深い特性を持つ蛍光色素が注目されています。この凝集することで発光が誘起されるという現象は、凝集誘起発光と呼ばれていて、様々な応用が期待されています。
たとえば、凝集誘起発光色素をフィルム基盤や薄膜中に固定化したものは、高い発光収率をもつ有機EL素子・優れた光エネルギー変換効率をもつ色素増感型有機太陽電池の実用化など、有機エレクトロニクス技術の未踏分野を開拓できる有機発光材料・高次光機能性材料として期待されています。
さらに、医療分野においても、タンパク質などを凝集誘起発光色素で標識することで、凝集過程や環境応答を蛍光顕微鏡などで容易に観察することも可能になります。たとえば、凝集誘起発光を応用してタンパク質の凝集体を除去する技術を開発できれば、アルツハイマー病やパーキンソン病など、タンパク質の異常凝集が原因となる病気の治療法の確立にも貢献することができます。
山本研では、量子化学計算を用いて、凝集誘起発光のメカニズムを解明する研究に取り組んでいます。